NPO法人である米国セサミワークショップは、毎年、会計報告を含む、活動レポートを作成しています。レポートはWEB上にもアップされており、ここからダウンロードすることもできます。2009年度のレポートのテーマは"Can you tell me how...?(どんな風に...したの?)"。セサミストリートが、世界中で成し遂げたこと、成し遂げつつあることを、Q&A形式で紹介しています。
セサミブログでは、このレポートの内容を、10回程度に分けてご紹介していきたいと思います。まずは、セサミの長い歴史に関する質問から...
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Q1. どんな風に、世界で1番長い通り(street)になったの?
A1. 小さく始めて、大きく考えて...
<1969年>
セサミストリート・第1話放送。この回では、W、S、Eという3つのアルファベット、2、3という2つの数字が紹介されました。困難な状況にある子どもたちの就学準備を手助けするために制作された番組として、1年目終了までに、何百万人もの未就学児童に視聴されたのです。
また、ジェームズ・アール・ジョンーンズが、最初のセレブリティ・ゲストとして出演。以来、400人以上のセレブリティがセサミストリートを訪れています。
アルファベットを復唱するジェームズ・アール・ジョーンズの動画はこちら
1から10まで数えるジェームズ・アール・ジョーンズの動画はこちら
<1972年>
ブラジルのVila SesamoとメキシコのPlaza Sesamoが放送開始。それぞれの国で固有の教育的ニーズに応えた、セサミ共同製作版の歴史は、ここから始まりました。今日、セサミストリートは、40以上の国で現地版が制作され、140以上の国で視聴されています。
<1975年>
作家のエミリー・キングスレーの息子であるジェイソン・キングスレー(5歳)が、セサミストリートデビュー。ダウン症患者として、初めての子ども番組への出演でした。その後、ジェイソンは、1970年代中盤に、55エピソードに出演しています。
<1983年>
フーパーさんを演じていた俳優・ウィル・リー氏が、心臓発作のため74歳で亡くなりました。セサミのプロデューサーたちは、この出来事を、子どもたちに死と深い悲しみについて語りかける機会としてとらえました。"Farewell Mr.Hooper(さようならフーパーさん)"のエピソードでは、ビッグバードに愛する者を失うことについて語りかけながら、キャスト陣も心を打たれていました。
<1975年>
アロイシャス・スナッフルパガス(愛称スナッフィー)が、初めてセサミストリートのキャストみんなに見えるようになりました。それまでみんな、スナッフィーはビッグバードの想像上の友達だと思っていたんです。
<1990年>
4年間に渡って展開された"race-relations initiative(人種間の関係に関するイニシアチブ)"の一環として、ウーピー・ゴールドバーグとエルモが、お互いの肌と毛の色(と、毛並み)を比べ、お互いのステキなところを話し合いました。
<1994年>
セサミストリートは、イスラエル、ヨルダン川西岸、ガザ地区へと進出し、イスラエルとパレスチナの子どもたちに、セサミのマペットと、彼らに託された協力と相互理解のメッセージを紹介し始めました。この試みは、ビル・クリントン米大統領(当時)からも賞賛の手紙を受けています。
Shara'a Simsim(パレスチナ版セサミストリート)の登場キャラクターたち
Rechov Sumsum(イスラエル版セサミストリート)の登場キャラクターたち
<2002年>
ニューヨーク市消防局が、セサミストリートの、9・11同時多発テロの心理的影響について扱ったエピソードに登場しました。これは、子どもたちに、恐怖、喪失、文化の多様性、そしていじめを乗り越えるための方法を教えるための4つの特別エピソードのひとつとして放送されたものです。
<2006年>
その理念に基づいてセサミストリートを作り上げた功績をを称え、セサミワークショップは、ジョーン・ガンツ・クーニー・センター(※)を設立しました。ここでは、デジタルメディアの相互性とそれを使っていかに子どもの学びを手助けしていくか、を研究していきます。
(※ジョーン・ガンツ・クーニーはセサミストリートの創立者のひとり)
<2009年>
ファーストレディのミッシェル・オバマ氏が、エルモと一緒に畑に野菜を植えながら、健康的な食生活を促す場面から、セサミストリートの第40シーズンが始まりました。
エルモたちと野菜を植えるミッシェル・オバマさんの動画はこちら
40年にわたって、セサミストリートは8,000万人以上の子どもたち―その中には、ファーストレディや、セサミストリートを「時代の変化に対応しながらも、子どもたちの心に与える価値は不変のものだ」と表現したオバマ大統領も含まれています―に影響を与え続けてきたのです。
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...以上、セサミ40年の歴史のおさらいでした。
ここに挙げた出来事だけを見ても、セサミが「子ども番組」の概念を切り開いてきたことが分ります。その根底にあったは、子どもを"守られるべき弱者"として扱うのではなく、ひとりの独立した人格として尊重しようとする姿勢です。言い換えれば、セサミストリートは、重い現実から子どもを遠ざけるのではなく、その現実を子どもと分かち合うための究極の表現なんです。そんな願いの込められたセサミストリートを見て育った子どもたちが世界にあふれれば、世界はもっともっと明るくなるはず...こんなところに、セサミストリートのロングヒットの秘訣を探るヒントが隠されているのかもしれません。
さて、次回の問いかけは、「どんな風に、世界で最も貧しい子どもたちに、早期教育を届けたの?」。
家でテレビを視聴できない環境にある子どもたちとセサミストリートとの関わりについて、インドでの活動例をあげながらご紹介する予定です。


