セサミワークショップ・年次レポートより:その2~スラム地域の巡回

[2010/04/15]

こんにちは!スタッフMです。

今日はちょっと真面目な話題をひとつ。セサミワークショップが作成している年次レポートの内容紹介第2弾として、セサミストリートがインドでどんな風に活動しているのか、お話させて頂きたいと思います。

annual.jpgのサムネール画像

 

年次レポート内容紹介第1段"セサミ40年の秘密"はこちら

 

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Q2. どんな風にして、世界で最も貧しい子どもたちに、早期教育を届けたのですか?

A2. テレビとDVDを積み込んだ野菜カートを引いて、彼らの住む細い通りに巡回しました。

 

インドには、1億3700万人以上の6歳以下の子どもが暮らしています。国としては、新興工業国として成長を遂げつつあるインドですが、小学校に通える子どもは全体の40%に過ぎません。2006年から、セサミストリートのインドでの共同制作版である"Galli Galli Sim Sim"は、この国のすべての子どもに、早期教育を届けるために努力し続けてきました。

 

Galli Galli Sim Simの特長は、インドに根付くたくさんの文化や伝統を反映させた多様なキャスト、活気のあるセット、そして、音楽とストーリーで、すでに4,000万人の子どもに視聴されています。4シーズン目を迎えた現在は、識字能力、環境、健康、栄養といったカリキュラムも扱っています。

 

Galli Galli Sim Simのビデオクリップはこちら 

gs clip.JPG 放送はヒンディー語の音声+英語字幕

 

デリー、ムンバイ、カルカッタといった都市部のスラム地域では、Galli Galli Sim Simは自ら子どもたちのところに出向いています。この移動プログラム(mobile viewing program)は、2年間で50万人の子どもと保護者に届けられています。調査によると、この試みは十分に効果があり、Galli Galli Sim Simの認知度と視聴は増加しつつあるのと同時に、子どもに対する早期教育を促しています。

 

mobile viewing.JPG 実際の視聴のようす

 

最も有名なマペットのひとりであるChamkiは、青と白の国立学校の制服を着ており、文字が大好きで、ギターを演奏し、空手を習い、自分で探偵までやっています。女の子の通学率や識字率が、男の子に比べて大きく後れを取っている国では、活発で好奇心旺盛なChamkiが女の子の良いお手本になっています。

 

ads1.gifのサムネール画像 ChamkiとElmo

 

 カルカッタのスラム地域に祖母と7人の兄弟と暮らすNigar Begumのような女の子は、Chamkiのように、明るく、頼りになる、独立した存在になれるように頑張る、と話します。Nigarは、欠かさず、Galli Galli Sim Simを見るために、野菜カートの行くところ―たとえ、それが別の通り(=galli)を訪問していたとしても―に着いて行っています。

 

Galli Galli Sim Simは、活動の幅を広げるため、非営利の子ども保護センターともパートナーシップを組んでいます。この団体は、balwadisと呼ばれ、ここにいる子どもの95%は低所得層の家族の子どもです。Galli Galli Sim Simは、balwadisに対し、本、おもちゃ、ゲームなどを提供しています。これらは、子どもたちを喜ばせたり、子どもたちのために働いたりするのに役立っています。2010年には、Galli Galli Sim Simは、規模を倍にして、インド全域で6,500のbalwadisにいる数百万の子どもに視聴されることになります。

 

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そもそも、セサミストリート誕生の原動力のひとつに「テレビを使った教育の可能性を探りたい」という理想がありました。しかし、この考え方に拘ると、テレビはおろか、電気すら満足にアクセスできない地域の子どもには、セサミストリートを届けることはできません。 でも実は、そういった子どもこそ、セサミストリートが必要なのも事実。そんな発想から生まれたのが、この移動プログラム、という訳です。

今日は少し堅い話になってしまいましたが、インドでの取り組み例を通じて、皆様にセサミストリートの草の根的な一面も知って頂ければ、嬉しい限りです♪

 

さて、次回の問いかけは、「どんな風に、アフリカでHIV/AIDSの広がるのを防ぐのを手助けしたの?」。偏見の克服、というアプローチと、その驚くべき手法をご紹介いたします。